検察庁法案について

 戦前の治安維持法による弾圧など人権侵害が相次いだ痛苦の歴史をふまえ、日本国憲法は司法権の独立を規定、その仕組みをつくるために検察庁法が制定されました。準司法とか行政と司法との両性質を持つというのはこうした歴史があるからです。そして検察官は刑事事件で唯一公訴を提起する機関で公益の代表者とも言われる「職責の特殊性」の故、定年制度などは一般の国家公務員とは「おのずから扱いを別にすべき」とされてきました。そうして検察庁法は、定年について検事総長は65歳、検事長を含む検察官は63歳と定めました(第22条)。 一方首相官邸に近いとされる黒川弘務氏は2月8日で63歳になるため、本来であれば退官するはずでした。しかし安倍内閣は1月31日の閣議で、黒川氏の定年を半年間延長するという前代未聞の人事について決定しました。(このことはこのことで問題になりました)。現在、検事総長を務める稲田伸夫氏は、約2年の任期という慣例に従えば、今年8月で退官となります。黒川氏は半年間の定年延長により、次期検事総長になることが可能になりました。検察庁法改定案の問題は、この一連の出来事から端を発します。  検察庁法改定案は、定年を現行の60歳から65歳にする国家公務員法(国公法)改定案などと合わせて一つの法案として提出されています。検察官の定年は現行の63歳から65歳に引き上げられます(最高検トップの検事総長は現行も65歳)。併せて、検事総長を補佐する最高検次長検事や全国に八つある各高検トップの検事長などは63歳を機に役職を降り、検…

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